映画になった「こんな夜更けにバナナかよ」のネタバレをしていこうと思います。予告やポスターを見て、「単なるコメディなのかな」、と思っていましたが違いました。
実は筋ジストロフィーを患う一人の男性と、その男性を支えるボランティアの壮絶な闘病生活が描かれています。実話です。
この作品の舞台は北海道であり、映画自体もオール北海道ロケをされたことで話題になりました。そのうちの9割は札幌市での撮影でした。もっと詳しく知りたいという方はこちらの記事もおすすめです。
ラストまで全てネタバレしていきますので、ご注意くださいね。
「こんな夜更けにバナナかよ」ネタバレ
安堂美咲は恋人の医大生・田中久がボランティア活動のため、デートもろくにできないことにいら立っていました。 そこで田中のボランティア活動のの場に乗り込むことにします。
その中央にいたのが大勢のボランティアに囲まれて、あれこれと世話をしてもらっている鹿野靖明だったのです。
鹿野は筋ジストロフィーを患っていました。この病気はだんだんと筋肉を動かすことができなくなり、最後には呼吸をするための筋肉も動かせなくなって死に至る病です。
病気のために首と手しか鹿野は動かすことができません。そのため昼も夜もボランティアによる助けが必要です。しかし鹿野は“人に物事を頼む勇気”を武器に、ボランティアに囲まれて自由に生きていたのです。
そのままの流れで夜のボランティアを田中とすることになった美咲に、鹿野は突然「バナナが食べたい」と言い出します。 あまりのわがままぶりに怒り心頭の美咲ですが、鹿野は美咲にすっかり惚れ込んでしまいます。
美咲は田中との関係を切り出せないまま、ボランティアを継続することになりました。 鹿野の当面の目標は英語検定2級の取得でした。それに触発されて実は教育学生ではなかった美咲も改めて大学受験を目指すことにしたのです。
それぞれの距離が近づく一方で、鹿野の病状が悪くなっていきます。 医師からは人工呼吸器をつけることを薦められます。それは声帯を失い鹿野から言葉を奪うことを意味していました。
田中は医師である父親に頭を下げて呼吸補助の特別な加療を鹿野に受けさせます。 しかし、それはほとんど意味を成さず、英検受験日に鹿野は倒れてしまい結局は人工呼吸器をつけることになってしまいました。
言葉を失った鹿野の姿を見て田中は、自分の医師として将来に疑問を抱きます。 一方で人工呼吸器をつけながら言葉を発することができる方法を知った美咲は鹿野にこれを提案します。
そして鹿野は自力で発声法を身につけたのです。 医療の限界を越える鹿野の姿を目の当たりに見た田中は自分の無力さを増々感じ、医大からの退学を考えます。
https://twitter.com/dwangojpnews/status/1158596290000769024?s=20
声を取り戻した鹿野ですが人工呼吸器をつけた人間には定期的な痰の吸引が欠かせないのです。 これは医療行為に当たるため基本的には医療関係者・または患者の家族だけです。
それを聞いた鹿野は「俺のボランティアは家族だ」と押し切ってしまいます。 強引な鹿野に押し切られた病院側はボランティアたちに痰の吸引の指導をし、鹿野は退院を果たします。
退院した鹿野はボランティアたちとともに旅行に出ます。しかし旅行の途中に突然鹿野が倒れてしまいます。
(引用:https://bananakayo.jp/)
旅に同行していなかった美咲と医大を辞めること決めかけていた田中も鹿野が倒れたことを聞いて駆け付けます。 しかしこれは二人を引き合わせる鹿野の策でした。鹿野に引き合わされた二人は改めて距離を近づけます。
鹿野の美咲への思いはかないませんでしたが、二人の友人として鹿野は田中と美咲たちとともに朝日を眺めました。 そしてその後、鹿野は42歳でこの世を去りました。
彼に関わったボランティアの人数は500人を超えており、彼が死んだ後も時折会って思い出話に話に花を咲かせているのです。
まとめ
筋ジストロフィーという難病に立ち向かった鹿野と、それを支えるボランティアたちの物語でした。この作品は障害者が、わがままを言っていいんだ!自由に生きて良いんだ!と声を上げたように感じるものでした。皆同じ人間なのですから、当たり前のことですけどそれが今の現代日本社会では足りないところなのでしょうね。
気になった方はぜひ原作も映画もどちらもチェックしてくださいね。