映画「レ・ミゼラブル」においては名曲が多く登場しますが、今回はその中から「ABCカフェ」という曲に焦点を絞って解説していきます。
この曲は重要な場面で使われており、耳に残るメロディとともに歌詞もまた熱い内容となっています。
レ・ミゼラブル「ABCカフェ」の和訳を解説
突然レミゼのこと考え始めて、サントラ聴いてます😢ABCカフェ😢 pic.twitter.com/wwy2XOtZAl
— ゆみ (@504_Hockadoo) September 12, 2017
まずは、名曲「ABCカフェ」が使用された場面から解説していきます。
マリウスやアンジョルラスといった若者たちで結成されたABCの友(Les amis de l’A B C/ア・ベ・セーの友)。彼らは当時ブルジョワ層を優遇していたフランス政府に対し大きな不満を持っていました。
彼らは民衆に人気があったラマルク将軍の葬儀に乗じ、政府に不満を持つ民衆に決起を呼びかける暴動を起こそうと画策しています。
しかしちょうどその頃、マリウスはコゼットと運命的に出会い、一目惚れしており、恋愛か仲間との決起か心が揺れていました。
マリウスなど登場人物については参考記事がありますので、ぜひこちらも読んでみてください。
「ABCカフェ」和訳と歌詞の理解
皆んな
誰と戦うか決めるときだ
正義のために戦うか
オペラで夜を過ごすか
リーダーのアンジョルラスが明日は革命、死を覚悟して戦おうと仲間たちを鼓舞します。その中でコゼットへの気持ちがあり、迷うマリウスにアンジョルラスはともに革命を起こそうと誘います。
マリウス、お前はもう子供ではない
それを疑いはしないが
しかし、今はもっと次元の高いことがある
誰が君の孤独な心をかまってくれる?
我々は大きな目標に向けて進むんだ
我々個人の小さな世界は全く問題ではない!
マリウスはコゼットを追いかけるか、仲間と革命を起こすか迷います。しかし結局はこのアンジョルラスの呼びかけによって仲間を裏切ることができず革命へ参加していくのです。
我々の心に疑わず、通りに出よう
歓喜をあげて
彼らは一人、全員やってくる
我々が呼べば、彼らは必ず来る
歌詞から分かるように、若者たちは「革命をするぞ!」という気持ちにあふれている、というか踊らされているように感じます。
若さゆえなのでしょうが、周りが見えていません。リーダーのアンジョルラスはもちろん、他のメンバーたちも。
マリウスだけはコゼットとの恋のこともありますが、ブルジョワ出身だけあって他メンバーよりも周りが見えていたからこそ迷ったのではないでしょうか。
正直イヤな予感しかしませんよね。そしてその予感は当たります。
革命蜂起は起こすことができましたが、いざとなったら市民たちは若者を見捨てて素知らぬ顔でした。そして若者たちは軍に対して大敗。皆、死んでしまうのです。
「ユーザーボイス募集」キャンペーンの締切がいよいよ22日(日)と迫ってきました!アンケートに答えるとクオカードが抽選でプレゼント!詳細は→http://t.co/Mmo4FmDeA9 #レミゼラブル pic.twitter.com/2NjYEOBMOH
— 映画『レ・ミゼラブル』公式アカウント (@lesmis_movie) September 20, 2013
殺伐とした場面を見事なメロディと歌詞でまとめました。革命に失敗して皆死んでしまったシーンを見てからまたこの曲を聞くと、本当になんとも言えない気持ちになります。
早まった、若さゆえの暴走、いろんな見方がありますが命は大切にしましょう。生きていればなんとかなるものです。
レ・ミゼラブル「ABCカフェ」の和訳を解説まとめ
レ・ミゼラブルは名曲の宝庫です。今回取り上げた「ABCカフェ」は革命蜂起を決断する若者たちの危うく、儚い野望を力強く歌い上げた曲です。
そして主張を交し合うアンジョルラスらが浮ついているマリウスをからかい、たしなめる様子が「ABCカフェ」を歌う場面で描写されています。