映画の冒頭、海の中で沈没した船をロープで引く男たち。迫力満点で、一気に物語に吸い込まれるシーンですね。男たちがロープを引きながら歌う曲は「囚人の歌」です。力強い男性の声がリズミカルに流れます。
今回は、「囚人の歌」の解説をしていきたいと思います。
映画『レミゼラブル』を無料で視聴するなら、こちらから。
[affi id=2]レミゼラブル囚人の歌/Work Song
作詞:ハーバード・クレッツマー
作曲:クロード・ミッシェル・ショーンベルグ

Work Songで歌ってるLook downって?歌詞を解説
きっと、この曲で一番印象に残る歌詞が「Look down」ですよね。英語がしゃべれない私でも、この歌詞は聞き取れました。
海に入り、沈没した船を引き揚げているのは囚人たち。囚人たちが、上から監視する看守に向かって「下を見ろ。俺たちを見てくれ」と言っています。でも、看守をじっと見つめてはいけないぞ、と。
そして、囚人同士で「お前は死ぬまでここにいるのか」と。
Look down! Look down!を挟んで、前のセリフに対して、後ろのセリフはディスっていますね。これは、この後もそうなっています。ユニークですね。
俺は悪いことなどしていない。優しいイエスさま、私の祈りを聞いて下さい / 優しいイエス様は、どうでもいいって。
妻は俺を待っててくれる、彼女は真実の愛だ / お前のことなんて全部忘れてるさ
ジャンバルジャンが登場します。2ヶ所の歌詞を合わせましたが、バルジャンは、「俺が自由になったら、こんな掃き溜めみたいなところには二度と戻らない」
「親愛なるイエス様いったい私を死なせてくださるまで、後どれくらいですか?」と聞いています。絶望している感じですね。
そして、ここから看守のジャベールと会話形式の歌詞になっていきます。バルジャンが釈放されるくだりに入っていきます。
[affi id=2]ジャベールのセリフです。「囚人番号24601を連れてこい。刑期が終わり、仮釈放となった。意味は分かるか?」ジャンバルジャンの囚人番号24601は、物語の間、ジャンバルジャンを指す名前として何度も登場しますね。
バルジャンは、「自由だ!」と喜びます。しかし、この後に続くジャベールのセリフは、ある意味この物語のキーであるような気がします。
違う、お前が手にしたのは仮釈放のチケットだ。お前は泥棒だ!とジャベールは、あくまで犯罪人であることを強調していますね。そして、ここから二人の追いかけっこが始まるんですね。
この後の歌詞で、バルジャンは、「ただパンを盗んだだけだ」と言い、「でも、家に押し入っただろ」とジャベールは問い詰めます。そして、バルジャンは「妹の子が飢えて死にそうだった。自分たちは飢えていたのだ」と弁解します。
「法律の意味を知らなければまた飢えることになるだろう」とジャベールは言います。法律が正義の全てだと思っているジャベールの思想が出ている箇所ですね。ジャベールを象徴するセリフです。
それに対し、ジャンバルジャンは、「19年間で法律は学んだ」と言っています。これは、パン一つ盗んだだけで19年間も投獄されたことに対し、法律は理不尽であることを知ったという意味です。
それに対して、ジャベールは、刑期は5年だったのに、お前は脱獄を謀ったからだと追求し、「24601」と呼びかけます。バルジャンは、「俺の名前はジャンバルジャンだ!」と。「俺の名前はジャベールだ、忘れるな24601」と言い返します。
[affi id=2]最後に曲を載せておきます。
まとめ
映画『レミゼラブル』の序曲「Work Song」を解説しました。ジャンバルジャンとジャベールの追いかけっこの始まりが分かる曲ですね。歌ですが、セリフになっているので見逃せないところです。次回は、仮釈放になったジャンバルジャンがどんな行動をとるのか、『独白』について解説していこうと思います。